5月1日、世間ではゴールデンウィークの真っ只中ですが、世界的には「メーデー」の日として知られています。
このメーデーですが、始まりは19世紀のアメリカの労働者が、労働者権利拡大を主張したのが起源と言われています。
ここから、”May Day”や”Labor Day(労働者の日)”として、世界の半分近くの国が祝日となっています。
ところが、日本ではメーデーが祝日としては導入されていません。昔から現在にかけて労働者のデモが活発になる時期ですが、祝日となるまでには至っていません。過去には導入を検討されたようですが、結局頓挫しています。
(若干趣旨は異なるものの)労働者の日として性質が似ている「勤労感謝の日」を5/1に移動させる案もあったとのことですが、これも実現には至りませんでした。
導入されればゴールデンウィークが休み放題になりますが、そうはならない理由を考察してみました。
銀行にとって不都合なことが起こる
メーデー導入が頓挫した大きな理由として、銀行を始めとした金融業界の難色が挙げられます。
理由は、「一週間以上金融業界の活動がストップすると、経済に影響を与えかねない」からです。
まずは、前提条件として、なぜ「一週間以上金融業界の活動がストップ」するのかの解説です。
メーデーが導入されるとゴールデンウィークが最低8連休になる
5月1日をメーデーとして祝日にすると、ゴールデンウィークが最低でも8連休になります。土日がうまく組み合わさると、9連休となります。
理由は、5/1が祝日になると、4/30と5/2が自動的に休日になるからです。
「祝日法」という法律により、「祝日と祝日に挟まれた日は休日とする」と定められており、4/29(昭和の日)と5/1の間、5/1と5/3(憲法記念日)の間となるため、休みになるのです。
みどりの日が移転する前、かつて「国民の休日」と呼ばれていた5/4も、この理由により休日でした。「国民の休日」という名前の祝日があるわけではありません。
※なお、この法律はシルバーウィークの発生要因にもなっています。敬老の日も秋分の日も日付変動制ですが、うまく組み合わさると1日おきになって、間の日も休みになります。
労働者にとっては年休を使わずともデフォルトで8連休になっていいですが、同時に銀行も休みになってしまうので、経済に影響を与えかねない、ということです。
銀行は、休日の営業はしたくない(ハズ)
さて、ここまで読んだ方も、このように思った方も多いでしょう。僕も最初は思いました。
「銀行だけ営業すればいいじゃん」
ですが、少し考えると非現実的だということが分かります。理由は以下の2つです。
ちなみに、法律で決められているわけではありませんでした。「基準」のようなものはありますが、割と自由に変えていいそうです。
1.ほとんどの企業が休みなのに、開けていても意味がない
銀行の大口顧客は、企業です。確かに個人向けの窓口も平日昼間は営業していますが、対企業の取引が圧倒的に多いです。
このような大口顧客が休みなのに、銀行だけ空いていても意味はなさそうですね。
2.ATM手数料が跳ね上がる
それでも、個人のために窓口を開けるとなると、当然人件費がかかります。
それがどこに跳ね返るというと、おそらくは、ATM手数料でしょうね…現行の216円から、540円くらいになるかもしれません。
ちなみにイギリス英語では、日曜日や祝日などといった休日を”Bank Holiday”と言います。
そもそも銀行は休日にはやっていないものだ!と言わんばかりの言葉ですね。
なお、祝日としては制定されていなくても、「メーデー」として休みになる企業がある、とのことです。
また、そのような制度がなかったとしても、ゴールデンウィークと前後して年休を取得することが比較的容易に行えることと思います。
春闘として労働者の権利を行使したり、(若干趣旨は違いますが)勤労感謝の日もあるので、日本人にとってはそれほど影響はないかもしれませんね。
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